4月25日(土) 東京ドームで行われた、ポール・マッカートニー 来日公演3日目となるコンサートに行って来ました。
開場となる16:30にドーム到着。 サウンド・チェックに時間を要しためか大幅に開場時間が遅れ、開演時間も19時を過ぎたこの日のライヴ。 待たされた分、オープニング・ナンバーの 「Eight Days A Week」 からすぐにヒート・アップ! そこからはもういつもの、娯楽性に富んだ完璧なロックショー! 日常のすべてを忘れさせてくれる、大観衆が一体となっての夢のような時間を過ごすことができました。
以下がセットリスト
1. Eight Days A Week
2. Save Us
3. All My Loving
4. Jet
5. Let Me Roll It
6. Paperback Writer
7. My Valentine
8. Nineteen Hundred and Eighty-Five
9. The Long And Winding Road
10. Maybe I’m Amazed
11. I've Just Seen a Face
12. We Can Work It Out
13. Another Day
14. Hope For The Future
15. And I Love Her
16. Blackbird
17. Here Today
18. New
19. Queenie Eye
20. Lady Madonna
21. All Together Now
22. Lovely Rita
23. Eleanor Rigby
24. Being for the Benefit of Mr. Kite!
25. Something
26. Ob-La-Di, Ob-La-Da
27. Band on the Run
28. Back in the U.S.S.R.
29. Let It Be
30. Live and Let Die
31. Hey Jude
Encore
32. Day Tripper
33. Hi Hi Hi
34. Can't Buy Me Love
35. Yesterday
36. Helter Skelter
37. Golden Slumbers / Carry That Weight / The End
。。今回はこの位置。 アリーナのEブロック。↑
カエッテ キタヨ! ユーゲンジッコウ
ポール・マッカートニーのコンサートには、90年の来日公演以来何度も行ってるのですが、始まる前のワクワク感というのは、もうずっと変わらないのです。 他のアーチストだってもちろんそれはありますが、音楽性の幅の広さと娯楽性の高さという意味では、やはりポール・マッカートニーは特別なのだと思います。
この日のセットでは、初日・2日目から数曲入れ替えがあったようです。 オープニングは 「Eight Days A Week」 でした。 「Magical Mystery Tour」 も聴きたかったのは確かですが、オープニング・ナンバーとしては、皆で歌えて手拍子が出来る 「Eight Days A Week」のほうが相応しいのかな。 3曲目の 「All My Loving」 は、ポールの曲の中では、とりわけ好きな曲なので、素直にうれしかったですね。
とても元気に見えるポールももうすぐ72歳。 多くの仲間がすで亡くなっています。 前回の来日公演同様、リンダに(Maybe I'm Amazed)、ジョンに(Here Today)、ジョージに(Something)と言ってから、歌われた曲があります。
他にもその影を感じさせる曲はあります。 例えば 「Another Day」 では、どうしてもリンダのバックコーラスが聞こえてくるし、「All My Lovinng」 ではジョンの3連ギターのバッキングが頭で鳴り始めたりするんですね。
「Something」 は、ビートルズ・ソングでは 「Yesterday」 の次にカヴァーの多い曲ですが、何よりも仲間であるポールによって "カヴァー" され、大観衆の前で演奏されたことを、ジョージも喜んでいるのではないでしょうかね。この日ポールは 「美しい曲をありがとう」 とジョージに感謝の気持ちを表していました。
そういった曲を演奏しても決して重たくはならないのがポールの特徴ではありますが、ジョンに語りかけるようにして歌った 「Here Today」 では、ちょっと目頭が熱くなりました。 静かになった大きなホールに響くポールの語りと、アコースティツク・ギターの音色。 大観衆の前で歌ってはいても、そこにあるのはふたりの世界なのかなぁ と。 アコースティツク・ギターを持って歌うポールの姿には美しさを感じました。
「Let It be」 では、やはり目頭が熱くなったし、お決まりとはいえ 「Hey Jude」での大合唱は、ロック・コンサートではこれを越える一体感はないでしょう。 曲ごとに解説をしていくときりがないので最後にもうひとつだけ。
ポール・マッカートニーの音楽性の幅広さについては、誰もが口にしながらも明確な図式にする人がいないように思うので、それについて・・・
今回のライヴでも終盤に 「Yestreday」 が歌われましたが、それに続いたのがやはり 「Helter Skelter」 でした。 ベクトルの方向が真逆を向いているようにも見える2曲です。ですが、音楽としては対極にあるとも言えるこの2曲も、"マッカートニー・ミュージック" という大きな枠の中では最終的には同じ点に帰結するということです。
エネルギーは自由に飛び回りながらも、メロディや歌、アレンジ、その他ポールだけが持つ何かの力によって同じ点に帰ってくる。 他のアーチストにだってそれはありますが、スケールの大きさが違う。 他のアーチストがやると 「節操がない」 と言われることでも、違和感なく聴衆に受け入れられてしまう (ワケワカラン デスカネ)。 これは凄いことだと思います。 言い換えると、この2曲を続けて演奏することは、ポールの自分の音楽に対する絶対の自信の表れだと思うのですが。
ポールは最後の挨拶で 「世界一のクルー」 と言ってスタッフに感謝の気持ちを表し、同じように 「世界一のバンド」 と表現していました。 スタッフやバンド・メンバーにとっては、リスペクトする人と、と言うか生きる伝説のような人と一緒に仕事をできるということに大きな誇りを持っているだろうし、そのことが仕事の質の高さとなり、世界一のツアー・バンドとなる。それも付け加えておかなければならないですね。
客の年齢層も幅広いとはいえ、やはり高めです。 でも僕のすぐ前には20代前半と思われる女の子ふたりが、歌い踊り、ときに「ポール!」 と叫びながらコンサートを楽しんでいました。とても嬉しい気持ちになりました。
この世に永遠というものはありませんが、この人類の遺産ともいえる素晴らしい音楽を伝えるために、まだまだ多くのひとに幸福な気持ちを与えられるように、ポール・マッカートニーには少しでも長く音楽活動続けてほしいと心から願います。 根っからの音楽家であるポール自身もそれを望んでいるでしょう。
PAUL McCARTNEY / New (2015 Japan Edition)
期間限定かも・・・